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2010年 04月 29日

たまにはマジメに書いてみる(後編)

続編をお届けいたしまする。

その日はもんもんとしていた。
時は高校三年の夏休み。うだるような暑さの中、バイトをがんばっていた。バイト内容はと言えばスイカ畑での積荷〜出荷にいたるまでの一式を炎天下の中で行なうキツい仕事だ。この体力仕事を高校3年間の夏休みにずっと続けていたのであります。

早朝からの仕事を終えてお昼休憩の時間。四畳半の休憩所に一人の男登場

竹田のオヤジ「おい!飯食ったか!」
オレ「食べましたよ」

※竹田のオヤジ(仮名)とはバイト先(スイカ畑)の親方。ルックスはそのまんま東をイカツくした感じ。つまようじを常にくわえていて、ねじりハチマキが妙に似合う変なオヤジだ。スイカを軽く叩くだけでおいしいかどうかを判別できるのを特技としている。

竹田のオヤジ「おい!スイカ食うか!」
オレ「いらねぇっす」(もう食べ飽きている)
竹田のオヤジ「おい!テレビつけてくれ!」
オレ「うっす」

テレビの電源をつけてみるが映らない。

竹田のオヤジ「おい!こうやってやるんだ!」

竹田のオヤジはつまようじをくわえながらおもむろにテレビをバンバンと叩いているではないか。
するとなぜかテレビが映り始めた。

竹田のオヤジ「おい!スイカもテレビも同じなんだよ!」
オレ「・・・。」

テレビには純粋な目をした球児達が白球を追いかけている姿が映っている。甲子園ってやつだ。

竹田のオヤジ「おい!お前と同い歳くらいやな!」
オレ「ですね。」
竹田のオヤジ「おい!お前は野球やらねぇのか!」
オレ「やらねぇっす。」
竹田のオヤジ「おい!おれもこんな時代があった!」
オレ「・・・。」

その後は竹田のオヤジの若い頃の武勇伝を聞かされるはめとなったオレ。若い当時はエースピッチャーだったそうな・・。「おい!スイカも野球も同じだ!球技は昔から得意なんだ!」と訳の分からないことを語っていた。
そんなもんもんとした夏休みを送る中、父親から一冊の本をプレゼントされたのだ。おもしろい人がいるから読んでみたらとのこと。本は「太陽」という雑誌。かなり古い本だ。建築家・安藤忠雄特集・・・。僕は基本的には本など読まない子である。今まで読んだ本はと言えばスラムダンクとダイの大冒険くらいかな。マンガでやんす。でもその時はちょっと違った。便所に閉じこもりパラパラと本を開いてみる。あん時の衝撃は今でもよく覚えている。本当にビックリした。あんまり長く書くと安っぽくなっちゃうから書かないけど、とにかく「光の教会」と言われる建築の写真は美しかった。あまりのびっくりにさっきまでのウ○チが出ねぇよ。いてもたってもいられねぇ。これは行くっきゃないよね。うん、そうだよね。でもダメだよ。オレには金がねぇYo。
こりゃどーするよ。だいたい大阪までいくらかかんだよ。俺の手持ちは70円くらいだ。・・・こーなったらあいつしかいねぇ。竹田のオヤジだ。
次の日の朝、残り五日間あるバイトを休むことを竹田のオヤジに伝えるとともに給料を前借り出来ないかとお願いを試みるオレ。

竹田のオヤジ「おい!大阪には何しに行くんだ!」
オレ「ナイショっす(話すと長くなっちゃうよ)」
竹田のオヤジ「おい!俺もそんな頃があった!」
オレ「・・・。(その話は昨日聞いたYo)」

その後、竹田のオヤジはまるまる一ヶ月働いた分の給料をくれた。9万6千円(交通費込み)。最後には「おい!スイカのような男になれよ!」とよくわからないグットアドバイスもちょうだいしたってわけだ。裏でバイト仲間と「そのまんま」とか「東」とか言ってたことを心で詫び僕は旅に出る

古い雑誌と9万6千円+70円を握りしめて、レッツゴーなにわへ。


出演

オレまたは僕(いちおう主人公)

建築家 安藤忠雄(世界のANDO)

竹田のオヤジ(友情出演)
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by kelu-n | 2010-04-29 02:27 | ケンチク


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