2013年 04月 24日
ひょんなことから高齢な大工さんと一緒に仕事をさせていただいてる。 高齢と言うと失礼かもしれないが知り合いを通じて築35年の住宅を一緒にリノベーションすることとなった。本来であれば建設会社や工務店を交えて施工のプロと進める訳だが予算が限られているのでその形態は取らずに現場監督は僕がやっている。監督と言っても素人の方にはわかりにくいと思うが、現場の管理や発注、予算管理などを行うこと。まあサッカーに例えるなら加茂監督である。 時には大工もやっているので腰痛持ちの私はとても大変だ。設計の仕事をやっていると身体がなまっているので肉体労働はなかなか応える。掃除機のコードで例えると赤のテープが見えてる状態だ。 まあ大変なのは置いといて話を戻しますね。 最初の頃は「ケガだけはされないように気をつけてくださいね」などと声を掛けいたのだけど、そんなの関係ねぇ!と言わんばかりに使い古した大工道具を腰に巻き、こなす仕事は超一流。数年前にリタイヤした元大工なんていう肩書きなんてどうでもいいほどに短い時間にきれいに仕上げていく。最近では建築技術が進歩し、プレカット工場で加工された木材を組み立てていくので手で加工していた時代の大工さんに比べると腕は落ちていると聞くことがある。僕はそんな風には思った事は無いんだけれども年配の大工さんは確かに知識が深い。 特にリノベーションで必要なのは古い材料と新しい材料の取り合いをどうするかなど工夫して進めていかなければいけないことがたくさんある。シロアリだったり断熱や構造の難題が特に多い。そんな時に知識が豊富でポジティブな大工さんと一緒に仕事ができるととても頼もしい。 僕は設計を仕事にしていますが現場の声を大事にしたいといつも思っています。 現場と一括りにしてしまうと変ですけど大工に始まり、左官屋、サッシ屋、基礎屋、板金屋、電気屋、現場監督などなどたーくさんの人間がいます。ひとりひとりの職人さんと向き合って上手に引き出しを開けさせることで新しい発見がいっぱいあるのだ。その引き出しをあけさせるのが素晴らしい設計者だと僕は考えています。それはクライアントに対してもおんなじ。 一緒に作っていく事が大事なのである。 「一緒に作ることが大事」ってことをただ言いたかったんだけど、つい長くダラダラと書いてしまった。すいません。 掃除機のコードに例えるくだりなんて絶対いらなかったですもんね。うん。 お弁当で例えると甘い豆くらいいらなかったですよね。 まあそんなこんなで工事は順調です。 現場途中の天井の見上げをカメラで撮ってみました。
by kelu-n
| 2013-04-24 09:34
| 4坪の小さいアトリエ(2013)
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