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2014年 04月 08日

リノベーションについて

誰もが今の住まいをもうちょっと変えたいという気持ちを持っている。
家が暗い、雨漏りしてる、もう一部屋欲しい、壁紙がダサい、フローリングの部屋にしたいなどなど、
新築を建てるのは難しいけれどリノベーションなら何とかできると考える方が増えてきている。
事務所のHPに「リノベーション」で検索されて訪問される方が増えてきたので、機会があればこのことについて書ければなと思っていました。
自分の考えを整理する意味も込めて今回は「リノベーション」のことについて書かせていただきます。
サブタイトルは「劇的大改造!!」です。長文になりますのでご注意ください。


【リフォームとリノベーションの違い】
個人的に呼び方はどっちでもいいのですが海外では「リフォーム」という言葉は無いそうです。
なので私はリノベーションとか改修と、これから書かせていただきますのであしからず。
ちなみにリノベーションとは「再生」の意味だそうです。


【既存建物の状態】
まず中古物件を購入してリノベを考えている方がいたら、ぜひとも購入前に建物の状況がいかがなものかをプロに見てもらった方が良い。
もちろん僕の事務所も相談をいただけば事前に無償で調査を行うことにしている。
リノベーションをする上で最も大事なのが一番最初に行う「既存建物の調査」なのだ。
調査を行えば「ここでリフォームはやめましょう」という結論に至ることも少なくない。
既存建物の良いところ悪いところを理解した上で進めるのが重要となる。
日本の古い建物には良質なものは少なく、きちんと住もうと思えば構造体の腐朽や耐震補強の問題、水道管の交換、設備機器老朽化、雨漏り、断熱、シロアリと心配なことは山盛りだ。
すでにあるものをまず認めざるを得ないのだ。
この中で特に気になるのが耐震性の問題だろう。
「構造補強が必要」となるか「むしろ立て替えた方がよさそうだ」となるかはプロに判断してもらうしかない。
直感も大事だけど入念な下調べがとても大事なんです。
また工事を始めたら改修工事ならではの予期せぬことがあるわけで、それをポジティブにアドリブ力で解決できる設計者がいることがクライアントにとって大事になってくる。
リノベーションこそ町のリフォーム屋さんや工務店に依頼するのではなく、設計事務所を通して計画を進めた方がいい。


【設計事務所でリノベーション】
先ほど設計事務所を通してリノベーションをすることが良いと書いたのだが、設計事務所で「リノベーションやります!」と看板を出している所は少ない。
なぜならリノベーションは手間がかかる割に報酬が少ないからである。
新築に比べると既存建物の下調べから始まり、既存建物の図面作成、それから工事が始まってからも既存の不具合が多いため設計変更を検討するため現場に行く回数増えるのだ。
床下や天井裏などは正直めくって見ないとどうしようもないことがあるのだが、工事が始まってから「こんなことが原因で費用が。。。」と言っても追加を出してくれるクライアントは少ないであろう。
身内の住宅を渋々やっているかもしれないが、設計事務所が好んでリノベーションをしない理由はこんなところである。
リノベーションと言われる設計行為がいかに社会にとって重要かを理解している人に頼まないと建てる人も設計する人も損をしてしまうこととなるだろう。
私?
私はリノベ好きです。


【リノベーションのお金の話し】
「予算が無いからリノベーション」「安いからリノベーション」
この考えはよく聞くが実はちょっと勘違いだったりする。
これはあまり知られていないがリノベーションは新築よりも工事の単価が高い。
同じ工事内容の場合、新築は工場で加工された材料を組み立てるのだが、リノベだと大工さんが既存に合わせて手でひとつひとつ加工して作っていく。
新築工事にはない「手間」がとても増えるのだ。
その手間を施工側は「手間賃」として見積もりに上乗せするわけである。
材料費が同じでも手間費用がかかれば単価は2倍にも3倍にも上がるわけだ。
となるといかに工事種目を減らし、安価な材料でステキに見せるかが設計手法として大事となる。
既存建物を新築に近いような作り方でリノベーションしようとすると、目が飛び出るほどの費用になってしまう。
安いからリノベーションという概念は捨てた方が良い。
経済的な考えのみで選ぶのではなく、あくまでもリノベーションでしか出ない魅力が好きな方にオススメする道です。
リノベーションらしい作り方をすれば工事費も抑えられると理解していただきたい。


【リノベーションの魅力とは】
リノベーションでは予期せぬことが発生して、それが魅力になることがあります。
例えば解体中に天井材をはいだら出てきた既存構造体のかっこよさに触発され、むき出しのままの空間としたり、
既存の柱の位置を考えながら間取りを考えていると不思議な空間が生まれたりもする。
新築とは違い最初から建物があるのでクライアントも空間を想像しやすい。
クライアントからアイデアが飛び出すこともあるだろう。
人によっては「汚いもの」と思われるかもしれないが、使い方によっちゃー「味があるもの」に変身するわけである。
それを生かして上手にリノベをすれば新築の半分の予算でステキな家ができる。


【人の感性】
ものが使い捨てられる時代に育った僕たちの世代が、古いものに価値を感じるようになるのは自然の流れだと思っている。
それは単なる物珍しさではなく、いいものは古びてもいいのだ。流れた月日が付けてくれる魅力がそこに現れるからであろう。
壊しては作るを繰り返す社会はどうかしていると僕は思う。
まだまだ変えれば使える可能性が残されているんだから、そこを目指して進んでいくべきである。
そもそも最初からしっかりと新築を作れば「再生」というものは必要ない。
これからリノベーションが定着していけば、普通の一軒家をショップにしたいって人も出てくるかもしれないし、逆に倉庫を住宅にしたい人もいるだろう。
僕なんかは使われなくなったガソリンスタンドを見て住宅にしたいなって思うこともあるし、ラブホテルが保育園に変身したっていいじゃないかとも思う。
視点が変われば可能性は広がるのだ。


【結局何が言いたいのか】
えー。書き始めたら何か答えが見つかるかと思ったが、脱線し始めたのでこの辺でやめておこうかと思う。
ラブホテルが保育園に変身したらそりゃー世間様が許さないだろう。
では保育園がラブホテルに変わるとどうだろうか?
うーん。一緒だな。
まあ何が言いたいかといいますとそれだけ世の中には可能性があり、その選択肢としてリノベーションがあるのだ。
それを理解して進んでほしい。
新築には新築の魅力があり、リノベにはリノベの魅力があるのだ。
今月に完成引き渡しを終えたFismはリノベーションの仕事だった。
このプロジェクトも問題山積みで、施工も設計もクライアントも大変だったが最終的には味わいのある住宅に変身できた。
これは全てクライアントの寛容さに救われて辿り着いたものであった。
リノベーションは難しい。だからこそおもしろい。
今後、立て替えorリノベで新規のご相談を受ければひょっとしたら立て替えをお勧めする場合もあるだろう。
これだけリノベーションのことを書いていてもやっぱり本音の部分で新築という楽な道に舵を切りたいものだからだ。
ただし、この人達となら厳しい道に進んでもステキなものができそうだと感じたらリノベーションをお勧めするであろう。
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最近、おっさんになったせいか長文が読めなくなった。
それと同時に長文が書けなくもなってきた。
昔はブログでしょうもないことをいっぱい書いていたのだが、最近は写真に逃げている私です。
ってなわけで長文が読めないので読み返しはしません。
誤字脱字があった場合はごめんね。
それでは今日はここまで。
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by kelu-n | 2014-04-08 14:57 | ケンチク


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